築わずか9年の住宅で、まさかの雨漏りが発生しました。
調査の結果、原因はなんと「高気密住宅特有の結露」によるものでした。
外部からの雨水侵入ではなく、断熱材内で発生した水分が下地を傷めていたのです。
近年の住宅は高気密・高断熱が当たり前になっていますが、その分、湿気の逃げ道がない構造だと結露が起こるケースもあります。
こうした結露による劣化は非常に稀で、見落とされやすい点でもあります。
下地補強から屋根の再構築へ
被害箇所はすでに腐食が進んでいたため、下地の補強工事を実施。
さらに、野地板の張り替えとルーフィング(防水シート)の新設を行いました。
屋根全体の耐久性を高めるため、7寸丸瓦を新たに施工し、換気棟も設けて通気性を確保。
これにより、結露のリスクを大幅に軽減しています。
結露対策と屋根の長寿命化のポイント
今回のような事例は極めて稀ではありますが、
「高気密だから安心」というわけではありません。
屋根裏の換気計画や断熱材の配置、そして施工の丁寧さが建物の寿命を左右します。
屋根の点検は、雨漏りが起きる前に行うのがベスト。
築年数が浅くても、気になるサインがあれば早めのチェックをおすすめします。